2015年02月18日

「マスメディア論」での高野文子先生   人間社会学科 鬼塚大輔

 ミステリやSFの出版で知られる東京創元社相談役にしてミステリ評論家である戸川安宣先生に、人間社会学科開講科目「マスメディア論」をお願いするようになって三年目となりました。
 出版人としての長年の経験を語っていただくのみならず、書店や印刷所の見学などユニークで講義を展開してくださる戸川先生。今年はゲスト講師として漫画家の高野文子先生をお招きくださり、2月7日の土曜日に、学生たちへの特別講義、質疑応答が実現しました(ちなみに一昨年のゲストは小説家の大崎梢先生、昨年のゲストは、やはり小説家の光原百合先生でした)。
 『絶対安全剃刀』、『棒が一本』ほかの作品で知られ、第11回日本漫画家協会優秀賞、第2回手塚治虫文化賞漫画大賞受賞者でもある高野先生の最新作は、昨年出版された『ドミトリーともきんす』。
 架空の学生寮という設定の中で、朝永振一郎、牧野富太郎、湯川秀樹らの理論や言葉を綴っていく『ドミトリーともきんす』は、大評判となって版を重ねています。
 高野先生は、漫画家になったきっかけや、作品の執筆方法などについて、やさしく穏やかな口調で学生たちに語りかけてくださいました。
 わざわざご持参いただいた『ドミトリーともきんす』の原画を回覧すると学生たちは興味津々で見入っていました。
 学生たちからは積極的に質問が出された質問の一つ一つに、高野先生は真摯に、そして時にはユーモアを交えてお答えくださり、学生たちにとって(そして、この時間だけちゃっかりと受講させてもらった、ぼくにとっても)とても楽しく、有意義な時間となりました。  


Posted by 静岡英和学院大学  at 08:00